当科の特色
当センターの基本理念は「患者さんを家族のように愛する いい医療をより多くの患者さんへ」です。これまで当科では身体に優しく低侵襲治療とされる腹腔鏡手術の技術向上に努めてきました。手術件数が年々増加してきたのは、その取り組みが地域の方々に認めていただいてきているためと考えています。
令和元年5月から当センターに大腸肛門病専門医が赴任し大腸がんや肛門疾患、そけいヘルニアに対して、より専門的な治療が行われるようになりました。
大腸がんの治療の原則は明確で、「限局している病変は切除する」、これに尽きます。早期大腸がんに対しては大腸内視鏡下にメスで切除する治療(大腸ESD)を行います。また、そのままでは切除できない場合や、術後に再発した場合でも最近の抗がん剤の進歩により手術のチャンスが生まれます。当センターでは、早期がんから進行がん、さらに再発・転移したがんまで、つまりすべての大腸がんに最後まであきらめない治療を行います。令和元年に大腸癌研究会参加施設、日本大腸肛門病学会認定施設に承認されました。
胃がんはがんとしての性質が大腸がんと異なるため、治療の原則は「最初の手術ですべての病変が切除できる」ことが重要になります。早期がんについては内視鏡切除あるいは腹腔鏡手術の低侵襲治療を行い、進行がんも腹腔鏡で手術を行います。手術が難しい高度な進行がんでも、抗がん剤治療によって縮小させた後に手術を行えることがあります。平成31年から上部消化管(胃や食道)を専攻とする医師がもう1名赴任しており、充実した胃がん治療を提供できる体制が整っています。
実質臓器である肝臓がんの手術には、胃がんや大腸がんとは異なった技術を要します。腹腔鏡による肝臓手術の訓練を積んだ医師が平成29年から赴任しており、肝臓手術の件数も増加し、腹腔鏡下肝切除術も標準的に行えるようになりました。令和元年に腹腔鏡下肝切除術の施設基準認定施設に承認されました。
疾患ごとの詳細な治療については別項をご参照ください。
西和医療圏の基幹病院として、消化器内科、放射線科と麻酔科と緊密に連携を取り、緊急手術や他院で断られた困難な病気を受け入れる体制ができています。人口が増加している西和地区において、より良い高度な医療を提供できるよう、外科一同で頑張ってまいります。